短時間労働者に対する社会保険の更なる適用拡大 少し深堀してみます

令和4年10月から、新たに「特定適用事業所」となった事業所では、これまで健康保険・厚生年金保険の被保険者でなかった短時間労働者のうち、次の要件に該当する方も、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱う必要があります。

・1週間の所定労働時間が20時間以上   

・学生でない  

・月額賃金8万8,000円以上(年収106万円以上)

(勤務期間の要件は、通常の労働者と同様の要件を適用)           

今回は、「勤務期間の要件」を取り上げます。

・・・・・・・・・・・・・・更なる適用拡大の具体的内容/勤務期間の要件・・・・・・・・・・・・・・・・

●勤務期間(使用期間)の要件について、改正前後の取り扱いを確認しておきましょう。

改正前

短時間労働者:継続して1年以上使用されることが見込まれない者は適用除外→継続して1年以上使用されることが見込まれる場合は要件に該当

通常の労働者:2か月以内の期間を定めて使用される者は適用除外→ただし、契約更新などでその定めた期間を超えた場合は、その超えたときから適用

改正後

短時間労働者・通常の労働者に共通:2か月以内で定めた期間(1か月、2か月など)を超えて使用されることが見込まれない者は適用除外

→その定めた期間を超えて使用されることが見込まれる場合(2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合)は、当初から適用

●2か月以内の雇用契約が「更新されることが見込まれる場合」とは、次のいずれかのような場合が該当します。

① 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されている場合

② 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績がある場合

★特に短時間労働者については、勤務期間(使用期間)の要件が大きく変わります。たとえ有期雇用であっても、できる限り健康保険・厚生年金保険を適用しようとする見直しが行われましたので、注意しましょう。今回の適用拡大などに関して、不明な点等があれば、気軽にお声掛けください。